「ピアノ」を奪おう。
桜内梨子ちゃんからピアノを奪ったら、どうなるのか。
G‘s マガジンでもアニメでも、「ピアノが特技」は共通していて、梨子ちゃんのアイコンもそのままピアノである。
しかもアニメ一期では、ピアノが桜内梨子ちゃんルートにおけるキーアイテムであり、そのキーアイテムによってアニメの展開は進んでいった。
ある意味、ピアノと桜内梨子ちゃんの関係はシンボリズムであり、割と切り離したくても切り離せないとでも言えるのだろう。
それなら敢えてこうしようーーピアノを、桜内梨子ちゃんから「奪ってみよう」。
アニメ一期でのピアノに関するエピソードが私は大好きで、その同時に放送当時に私自身にも少しピアノに纏わる苦悩を感じていたから、大好きと同時に共感でより深くなった。
第二話で語った苦悩はただのきっかけでしかないと思ったら、まさか第十話でまた持ち出されて、しかもちゃんと結末を用意してくれた。
そのことに私はすごく感動したーーピアノのエピソードは、ただのAqoursに入るための原因じゃなかったと。
でもたまに、それが周りに強調されすぎていると、残念な気持ちになる。
もちろん責めるつもりはない。確かにピアノは切り離せないし、もはや核心となり、現に桜内梨子ちゃんはピアノと共に「生きている」のだろう。
だけど、ピアノという楽器、ピアノを弾くという行為から視線を離してみないか?
ピアノの出来事があったから手に入れた素敵なものを、桜内梨子ちゃんはいくつかを持っている。
ピアノを弾いているから素敵だけではなく、ピアノの出来事があって、その後千歌ちゃんに出逢ったからこその、「包み込む優しさ」と、「未来への期待」と、「胸にある情熱をぶつける勇気」。
私…どうしたらいいんだろう...何やっても楽しくなくて…変われなくて…
(ラブライブ!サンシャイン‼︎ 一期2話)
良かった…やっと素直になれたね
バカね。みんな千歌ちゃんのためにスクールアイドルやってるんじゃないの。自分で決めたのよ
みんなで一緒に歩こ。一緒に
今から0を100にするのは無理だと思う。でももしかしたら1にすることはできるかも!
私も知りたいの、それができるか
(ラブライブ!サンシャイン‼︎ 一期8話)
ピアノのコンクールにリベンジする前に、すでにピアノから得たものがあった。
さらにその先に、
私、自分が選んだ道が間違ってなかったって心の底から思えた。辛くてピアノから逃げた私を救ってくれた、千歌ちゃんたちとの出会いこそが奇跡だったんだって…
だから勝ちたい。ラブライブで勝ちたい!
この道で良かったんだって証明したい。今を精一杯全力で、心から!スクールアイドルをやりたい!
(ラブライブ!サンシャイン‼︎2期12話)
最初の「拒否」が「願望」となったことこそが、桜内梨子ちゃんの最大の成長であり、ピアノの出来事は、そのキセキーー軌跡のスタートラインだった。
結局桜内梨子ちゃんからは、「ピアノ」という特技と出来事が奪えない。それはまぎれもない事実だ。
だけど、ピアノの出来事=桜内梨子ちゃんの全てではない。
想いよひとつになれもまた、桜内梨子ちゃん(そして中の人)の全てではない。
ピアノの出来事があったから、桜内梨子ちゃんに惹かれたけど、私が好きなのは梨子ちゃんの優しさ、「逃げた」と言いながらも諦めきれなかったしぶとさ、優しい音楽も胸を踊らせる音楽も作れる柔軟さ、感性の豊かさ、控えめだけで誰にも負けない情熱。
ピアノの出来事という根。それから芽生えたもの、咲き誇ったもの。
センターステージで、それをみんなに見せつけて欲しい。
ピアノで出来た、ピアノだけじゃない、満開した君色のステージ。
【FINE】
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君からは、ピアノを奪えない。それはおそらくもう、君の血と肉になっている、大切なものだから。
だけど私は観たいーー君がピアノから得たものと、君が胸に秘めた熱さを、一切の容赦なく高らかに歌う姿を。
そしてみんなに知って欲しいーーピアノは君のシンボルであって、君を捕らえる鳥籠ではないことを。
ピアノという根から成長して咲き誇る、聳え立つ桜の樹ーーセンターに輝き、桜吹雪でみんなを魅了するように。
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どんな順位にいても、きっと輝けると。
どんな順位になっても、絶対に大切にすると。
叶えてきた夢の中の最後の夢だと。
しかしながら、でもそれ故に。
私たちはお二人をセンターにしたいと思っています。そんなわがままを抱える、わがままなファンです。
精一杯やって、毎日やって、少しつつ積み上げて行く。
おそらく最初から同じ気持ちですーーどんな順位にいても、お二人が輝けると、そう信じています。
ピアノだけで好きになったわけじゃなく、その内にあるものに惹かれて、お二人が大好きですから。
だからこそ、いつかは、ピアノではなく、純粋な桜色に染まる会場も、私は観たいです。
ですから、今は無理やりしても、「最後の夢」を形する手伝いをしている、そういうつもりです。
でもきっと、最終的にどこにいても、私は相変わらずお二人が大好きでいられます。
そういうわがままな、自己完結してしまうファンですから。(笑)
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